若手家族心理学研究/家族療法家に聞きました

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 uchinosatomi    

日本女子大学大学院人間社会研究科心理学専攻 博士後期課程 
                                  
内野里美先生

(先生の御所属はインタビューがされた当時のものです。)

 

 

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どのような分野・現場で臨床に携わっていますか? 

 

普段は、児童相談所で親御さんの面接や里親支援をしています。その他、NPO法人MCR不登校・引きこもり研究所でこころの家庭教師の派遣や親面接などをしています。

 

研究テーマはなんでしょうか?

 

 以前は、障害のある子どもの家族支援の研究が主なテーマでした。最近は、里親支援や里親養育の研究に興味があります。

 

家族療法は臨床にどう役立つか、どう役立てていますか?

 

 ケースの見立てやアプローチの幅が広がります。

臨床家を志したきっかけは何ですか?

高校生の頃、「将来稼げる資格」を特集した本を立ち読みし、そこに「臨床心理士」が載っていたのがきっかけです。

 

家族療法家を志したきっかけは何ですか? 

 

大学院生の頃、MCR不登校・引きこもり研究所の立ち上げに参加し、家族療法家の若島孔文先生のもとで夫婦面接の実習をさせていただいたことが大きなきっかけです。その後、児童相談所で親面接を担当する相談員の募集があり、運良く採用され、今年で5年目を迎えています。親面接を主な仕事としていますが、今の自分が家族療法家といえるのかは、自信がありません。しかし、家族療法を学ぶ機会に恵まれ、親面接をする機会に恵まれたことを今後に活かしていきたいと考えています。

 

お勧めの本(臨床心理の本に限らず、臨床に役立つもの)を教えてください。

 

 家族療法の本ではありませんが、「学校と臨床心理士」鵜養美昭・鵜養啓子(1997)ミネルヴァ書房 はオススメです。学校システムの中での臨床心理士の位置づけや、先生や養護教諭との付き合い方のコツも知ることができます。私は、児童相談所でケースワーカーや保健師といった他職種と連携する上で、この本が役に立ちました。学校だけでなく、あらゆる現場で働くのに役立つ一冊だと思います。

 

お勧めの論文を教えてください。

 「障害のある子どもに対するソーシャル・サポート-夫婦間サポートと養育ストレスに及ぼす影響-」内野(2006)家族心理学研究, 第20巻第1号(印刷中)です。吉田先生を真似して、自分の論文を出してみました。

師・影響を受けた人は誰か 
 
 心理臨床の仕事をするなら、問題が起きてから援助するだけでなく、問題の背景にある家庭環境や社会環境へのアプローチもできる臨床家になりたいと、学部生の頃から考えていました。そのため、平木典子先生の授業で、家族システム理論を学んだ時は、そんな考えにしっくりくる理論に出会ったと感銘を受けました。また、鵜養美昭先生のコミュニティアプローチの考え方にも大きく影響を受けました
 
聖徳大学の修士課程に進学してからは、三好和子先生や前述の若島先生、故国谷誠朗先生といった魅力的な家族療法家の先生方から学ぶ機会に恵まれました。先生方の魅力にひかれて家族療法を学んだといっても過言ではないと思います。

 

臨床家のたまごに先輩として一言 

 

 私も臨床家としては、たまごかヒヨコくらいですが、短い経験から感じたことを一言。 現場で仕事をしていると、うまくいかないケースに出会ったり、仕事の人間関係に悩んだりと、小さな壁にぶつかることがあります。そんな時、ストレス解消に飲みに行ったり、気晴らしをしたりすることは、もちろん大切です。しかし、その「うまくいかない感じ」は、臨床家として成長させてくれる種となったり、研究のヒントとなったりすることが多いように思います。転んでもタダでは起きぬ精神で。

 

 

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